タイの刑務所に面会にいった思い出

(2014-11-07)
以前に少々のリスクは承知で海外に行こう、という記事を書いた。
自分も若い頃にバックパッカーで色んなところを旅行していた。
といっても社会人だから1週間程度の旅を年に1,2回というペース。
一番行ったのはタイで、10回以上行っている。

当然、タイ人の友達も何人か居て、その中で忘れられない人がいるので書いておきたい。
今から6-7年前だったと思うが、いつものように手軽な夏休みプランとしてタイ旅行を決定。
安宿泊まりで、酒飲んでは屋台でゆっくりご飯を食べる、そんな日々。
ある時たまたま屋台のテーブルの隣に座ったタイ人と仲良くなって、終電近くまで彼と話していた。
本人曰くロックシンガーで、奥さんには逃げられ、子供も連れていかれさびしい日々なんだと言いながらも笑顔の絶えない男だった。日本人だからと近づいて騙そうとかそういう人間でないのはすぐわかった。場数も踏んでるので、もうそのあたりの自分の嗅覚は問題ない。案の定、ただの明るい男だった。
すごく気があって、連絡先も交換して、いずれまた会おうとなった。

帰国後しばらくメールなどネットでやりとりしていたが、ある日から返事が来なくなった。
まあ、忙しいんだろうな、と放っておいたが、去年、バンコクでゆっくりしていたときにメールの返事が来て
「オレがどこにいるか分かる?分かったら驚くと思うよ」
と言うので、何をもったいぶってんだ、と突っ込んで聞いたら、なんと刑務所に居るという。
今は刑務所でもメールはできるのだ、もちろん時間などに制限はあるらしいが。

罪状はなんだと思ったら、僕と会うちょっと前に彼の奥さんが彼の子供を産んだ時点で16歳をちょっと超えたくらい。タイの法律では16歳まで性交渉をもってはならないとかで、彼はそもそも数年前から奥さん側の家族から訴えられていたらしく、この度それで有罪が確定したのだとか。
つまりは淫行ということ。
しかし、それくらいで有罪執行猶予無しは厳しいな、と思った、しかも刑期は5年くらいあるとか。
ただし、模範囚なので、刑期は短縮されて来年には出所できるかもしれない。
そんな話を聞いた僕は、「よし、来年はお前に会いにいくよ、待ってろよ」と返事をしておいた。

そして今年の3月に休みを取ってタイへ行き、彼の故郷の町まで出掛け、見事再会を果たしたのである。
現地での手引きは彼の友人や家族が丁寧にしてくれて、刑務所での細かい面会の手続きも全てしてくれた。
皆さんはTVドラマにあるような、刑務所でのアクリルガラス越しの面会、というのをしたことがあるだろうか。
防音仕様なので、目の前にいる人とは受話器で話す、あれである。
僕はこの時が初めてで、不謹慎を承知で言えば、非常に感激したというか、いい経験をさせてもらったような気持ちになった。

ずらっと20名ほどが並んでガラス越しの向こうに囚人たちが座っている。その端っこに彼がいた。
丸坊主にしていたが、すぐに分かった。
面会時間は20分、彼の親も子も一緒に来ていて、彼らにも貴重な時間のはずだが、「わざわざ日本から来てくれたんだから」と20分の面会時間をほぼ全て僕にくれた。
僕もそれほど英語は得意でないが、彼はもっとカタコトである、それでも会話は十分に成立した。
まさか本当に会いに来るとは思っていなかったようである。
最後に、頑張れよ、出所するころにはまた会いに来るぞ、と言って面会時間は終わった。
最後の20分きっちりでプツっと通話が途切れる瞬間も思い出深い。
最後に何か言おうとしていたが、言い切れずに笑っていた。

途中、彼が言うには家族がバーベキューの用意をするはずだから、実家に泊まっていけと言う。
僕は面会の用事が終わったら、日帰りでさっさとバンコクへ引き返すつもりだったが、周囲も返すつもりはないようで、好意に甘えて彼の実家に一晩泊まった。
あの時の白身魚の焼き物やトムヤムクンはなかなか美味しかった、そして次の日は激しく腹を壊したが・・・
家族も皆いい人で、とてもよくしてくれた。

考えてみればたまたまた知り合ったタイ人がちょっとしたことで刑務所入りになっただけのことなのだが、
僕にとってはなかなか忘れられない一連の思い出なのである。

こういう面白い出会いがあるから、一人旅はやめられない。
今の若い人にもどんどん行って欲しいな、と思う。

次は彼の出所祝いに是非行きたいと思っている。
その時もレポートをしてみよう。
スポンサーサイト
スポンサーリンク

にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村

コメントの投稿

非公開コメント

No title

それはまたすごい経験ですね。

僕は海外は苦手ですが、行くとやはりいろいろな経験が
できていいのでしょうね。

でも無理ですけど..

No title

私ならきっとできないし、しない体験です。
今更ながら、人の個性とは随分違うものですね。
猫さんは許容量の大きい人かもしれません。
楽しい話を聞かせてもらいました。

Re: No title

>ゼロさん
無理ってことは全然ありませんよ。
やってみたらなんとかなるし、楽しいもんです。
それに戦争中の国や、南米アフリカのような治安崩壊の国に行ってるわけじゃないので、節度を守って行動してればそんなに危険でもないです。
僕の経験は小ネタレベルのものなので、もっと楽しい経験をしてる人は一杯いると思います。

Re: No title

>なすびさん
コメントありがとうございます。
人はそれぞれ個性がありますからね、海外には絶対行かない、というのもそれはそれで考えとしてはアリだと思いますよ。個人的にはオススメしちゃいますけどね。
私もなすびさんのブログでいつも楽しい話を聞かせてもらっています。

No title

初めまして。驚きの経験ですね。
わざわざ会いに行くのもすごいと感じます。

No title

おもしろい経験していますね。
なるほどそういう経験を積んでいれば、生涯バックパッカーでいたいという気持ちがよく分かる気がしました。

No title

映画になりそうな話ですよ。外国でこんな事が出来るなら、どこに行っても物怖じなどしないでしょうね。英語ペラペラでも怖そう。タイでタクシーに乗っただけでも恐怖を感じる情けない私とは正反対ですわ

No title

この経験はなかなかないでしょう。誰とでも話せるっていうのはやっぱり性格と営業の仕事のおかげなんでしょうね。私はそういことは苦手です>< 逆に妻は誰とでも話しますね。知り合いか?と思っていたら今会ったというのがたびたびあります。

出所レポート楽しみにしてますよ^^

No title

たまたま袖触れ合った縁から一生忘れられない思い出が生まれたんですね。誰もが経験出来るわけではないかもしれませんが、誰でも体験する可能性があるんですよね。
そんな「一期一会」僕も大切にしようと思います。

Re: No title

>さいらさん
刑務所訪問は初めてだったので、自分も少し驚きました。
会いに行くのは、逆に自分も楽しみにしてる面があって、すごく良かったです。

Re: No title

>prireさん
将来はおっさんバックパッカーを目指します。こちらは生涯現役みたいな。

Re: No title

>たんちんさん
僕個人も楽しみながらやりました。タクシーは運転手によっては僕もたまに恐怖感じますw。

Re: No title

>クロスパールさん
そうそう、誰とでも話せるって結構重要ですね。奥さんは一人旅楽しめるタイプですね。

Re: No title

>oininさん
たまたまとはいえどこかで知り合った人たちに人生ですごく重要な人がいたりしますね。
一つ一つの出会いを大事にしていきたいと思います。
oininさんがタイに移住したら、是非いつかバンコクで一杯やりましょう。

No title

いや、ほんと、すごい経験ですねw

これはどうあっても、次回のご報告を聞きたいです。

招き猫の右手さんは、守備範囲がとても広いです。
どんな社会になろうと、生きていけそうに思います。
私にはとてもまねができません。

Re: No title

>いろいろでセカンドライフさん
いや、誰でもできますよ。
出来るだけ許容範囲の広い人間になって、どんな状況でも生きていけるようにはなりたいです。
次回は僕も楽しみにしています。
プロフィール

招き猫の右手

Author:招き猫の右手
20代半ばから節約と投資をはじめ、とりあえず41歳でリタイアを達成。節約ドケチ生活で今後を乗り切る(予定)。既婚、子供一人(予定)

ツイッター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

ブロとも一覧

つれづれなるゼロな日々

軸足の定まらないセカンドライフ

半農半X 投資で実践するセミリタイア生活公開ブログ

節約とコツコツ投資でリタイヤ

「女とカネ」 ~株とFXで稼いで、女の子と遊ぼう~

新しい人生に挑戦してみよう!

きままな2ndライフ生活

30代 南米リタイア生活

煙々の独り言
フリーエリア
スポンサーリンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーリンク